令和5年度 視察研修旅行

視察先:新潟県 燕市・三条市
期 日:令和5年11月28日(火)~29日(水)
日 程:
 ■11月28日(火)
 ・株式会社諏訪田製作所
 ・株式会社スノーピーク
 ・山崎金属工業株式会社

 ■11月29日(水)
 ・株式会社玉川堂
 ・燕市産業史料館
 ・朝日酒造株式会社

令和5年度視察研修は燕三条へ

刃物や洋食器を中心に、世界に誇る名品を創出する新潟県の燕・三条を視察しました。江戸時代に農家の副業として奨励された「和釘」づくりが、この地の金属加工業の原点。時を経てさまざまな方向に発展した、ものづくり企業の姿を学びました。
各事業所ともに視察会社・団体・官庁また外国からの来訪者も多い、注目の企業ばかりです。

1日目 11月28日(火)

■株式会社諏訪田製作所

1926年創業、ニッパーの前身「喰切」製造の老舗。のどかな田園の中で異彩を放つ、黒を基調としたモダンなオープンファクトリーで、ガラス張りの部屋の中で爪切り等刃物一つひとつに真剣に向き合う、若い社員の姿を見せていただきました。

社員のアイデアだという、排材を利用したトナカイや盆栽などのオブジェが社内いたるところに展示してあり、作るもの全てにあらわれる自信を感じました。

お洒落なカフェと思われた場所が社員食堂で驚きましたが、「社員は食事無料」という手厚い福利厚生に、一同さらにビックリしました。

■株式会社スノーピーク

現在はアウトドアメーカーとして有名な同社も、1958年金物問屋が始まり。キャンプフィールド併設の広大な敷地に建つ本社社屋に隣接するレストラン「雪峰」にて昼食をいただきました。天井のデザインにはまさかの「薪」(本物)が用いられていて、否が応にもキャンプシーンを彷彿とさせるものの、たいへん洗練された雰囲気の中で、地物野菜からのコース料理を堪能しました。

そして本社社屋の見学は、まるでオフィスらしからぬ吹き抜けの広いワンルームを見下ろす通路から。部屋の中心には大きなテントが張ってあり、ミーティング・打ち合わせもその中でするとのこと。柔軟な発想はこういう環境から生み出されるんだと、働くクリエイティブスタッフの姿を見せていただきながら妙に納得しました。

ミュージアムでは壁一面に映し出される映像から、衣食住働遊の5つの分野のアイデアを生み出す同社の、創業から現在・未来への想いの一端を理解しました。

■山崎金属工業株式会社

1918年スプーン工房創業開設以来、日本のカトラリーの価値を世界へ伝え届ける企業。工場の中では社員の皆さん一人ひとりが目の前のカトラリーを一本一本丁寧に研磨・検査を繰り返される姿に、徹底した品質のこだわりを見ました。ノーベル賞の授賞式を始め、世界の晩餐会で使われ、評価されている理由がわかりました。

今日は朝からあいにくの雨模様でしたが、見学を終えた時に同社社長はじめ役員の皆様と見た「虹」が印象的でした。

 
2日目 11月29日(水)

■株式会社玉川堂

1816年創業、鎚起銅器一筋の玉川堂。歴史と伝統を感じる畳敷の作業場では、年季の入った様々な道具を使い分け、音や振動を感じながら打つ槌で作品を創り出す、ベテラン職人の技を目の前で見せていただきました。

鎚で打つことによって一枚の銅板が見る見る形を変え、焼きなましで熱を加え水で冷やしたり、彫金や化学反応による着色などの工程を経て、一つとして同じものがない作品に仕上がる伝統工芸にため息が出ました。

■燕市産業史料館

視察研修の振り返りともいえる史料館で、金属加工産業文化400年の歴史で人がつくりだす技術、作品の素晴らしさを再認識しました。

今回は時間がなくて見学だけでしたが、この施設は展示だけでなく体験工房も充実しているので、ものづくり体験のために再訪したいという声が聞こえました。

■朝日酒造株式会社

1830年創業「久保田」で有名な朝日酒造株式会社。酒蔵といえば歴史が香る造り酒屋のイメージですが、広大な敷地に近代的で巨大な建物、オートメーション化で流れる「久保田」の一升瓶に圧倒されました。しかし「水」は地下水、「米」は地元産、「人」は越路杜氏と、すべてにおいて品質本位で、酒造りの正道を歩みながら挑戦をし続ける姿勢に、感銘を受けました。

本社内のエントランスホールは、地域住民の皆様のためにコンサートを開催したりするそうです。

■最後に

二日間の視察研修において、ものづくりに対する人として企業としての向き合い方を学びました。訪問させていただいた企業様、旅行行程の企画運営をしていただいた株式会社アリーナ様、長野商工会議所様の多大なるご尽力により無事視察研修を終了したことに感謝を申し上げます。

(視察旅行担当幹事:宮坂辰雄)

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