7月例会 「平成の雇用と働く人に関する法律」

北澤裕子氏
北澤裕子氏
  • 講師:特定社会保険労務士 北澤裕子氏
  • 日時:平成22年7月22日(木)午後6時~8時30分
  • 場所:レストランやま2階
  • 出席者:12名(※事務局2名含)

  7月例会は、特定社会保険労務士の北澤裕子氏をお迎えして、雇用に関する法律の説明と注意点などのお話を伺いました。

  雇用や、働く人に関しての法律が増え、また改定が行われているため、その内容を把握し、企業としての責任で実践や活用をしていくことが大切です。しかし、いつの世も一番大切なことは、労使の信頼関係の構築に努力していくことです。(以下概要)

A こんなに増えた 働く人に関する主な法律

(昭和61年)
●男女雇用機会均等法
 女性の雇用機会増大と性別により差別されることなく働ける環境整備のために、男女均等待遇、差別的取扱い禁止、セクハラの防止等を規定。
●労働者派遣法
 雇用者と使用者が別々の新しい雇用形態。派遣先の雇用を侵害しないよう、職種や派遣期間が限られている。

(平成4年)
●育児休業法(育児介護休業法)
 育児・介護をしながら働く人が、仕事と両立し継続勤務できるように支援する制度。

(平成5年)
●パートタイム労働法
 パート労働者の適正な労働条件を確保し、差別的取り扱い禁止、説明義務等を定めてトラブルを防止。

(平成13年)
●個別労働紛争解決促進法
 労働者個人と事業主のトラブル増加に伴い、実情に即した迅速かつ適正な解決のために設けられた制度。(労働局のあっせん等)

(平成16年)
●高年齢者雇用安定法
 高齢化と年金支給開始年齢の引下げに伴い、65歳までの雇用確保を義務付け(定年引上げ、定年廃止、再雇用等)

(平成18年)
●労働審判法
 労働者個人と事業主のトラブル増加に伴い、より簡便に解決を促す制度。裁判所で原則3回の審理で裁判。

(平成20年)
●労働契約法
 労働者と使用者の契約は、当事者間の合意に基づいて成立することを原則として、解雇のルールや不利益変更の手続きを記載。

B 今年の主な法改正

 【育児介護休業法】

◆制度の概要

  • 育児休業→子が1歳になるまで(やむを得ない事情があれば1歳6ヶ月まで)
  • 介護休業→要介護家族一人につき93日まで
  • その他両立しやすくするための制度(短時間勤務・時間外労働免除・制限制度・休暇)

◆背景

  • 進む少子高齢化
  • 男性の育児家事時間まだ少ない
  • 就労継続による経済的自立

◆改正点

  1. 父親も育児休業を取りやすく(パパママ育休プラス・妻(夫)が専業主婦でも申し出OK)
  2. 3歳までの子を育てる人の残業免除、勤務時間短縮を義務化(中小企業は猶予あり)
  3. 家族の介護休暇創設、子の看護休暇2人以上の場合は10日に拡充
  4. 法違反には企業名の公表や過料あり(H21・9~施行)

◆ポイント

  • 働く人の意向を確認し、本人が選択できる制度に
  • 休業中も情報交換を。繁忙期はお手伝いのお願いもOK
  • 中小企業で初めて利用者が出た企業には助成金制度も(一定条件あり)
  • 働く人のマナーも大事。早めの報告相談、お願いのひと言、休業中も顔を出しetc

 

【労働基準法】

◆背景

  • 長時間労働による健康被害が多発
  • 子育て世代男性の10人に1人が週60時間以上労働

◆改正点

  1. 時間外労働限度基準の見直し
    →月45時間を超える時間外労働の割増賃金率引き上げ(努力義務)
  2. 月60時間を超える法定割増賃金率を25%→50%に引き上げ義務化(中小企業猶予あり)
  3. 時間単位年休が可能に

◆ポイント

  • まずは基本の始業・終業時間を再確認し、残業を減らす
  • 労働時間は毎日記録、集計。黙認はダメ。
  • 1ヶ月100時間(6ヶ月平均80時間)を超えて脳疾患、心臓疾患になったら労災!
  • 繁忙期には働く人一人ひとりに疲労度チェック(http://www.jaish.gr.jp)
  • アニバーサリー休暇やノー残業デーは有効

C これから働く人と雇う人のルールは...

  • 個人に対する配慮 VS 社内の整合性(バランス)
  • 説明の重要性
  • 今も昔も信頼関係