19年4月例会

講師:長野市立博物館分館 信州新町化石博物館 学芸員 畠山 幸司氏

演題:「チバニアン(千葉時代)の信州」

日時:平成31年4月23日(火)18:00~18:50

場所:レストランやま

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今回は、当会の和田直前代表幹事のご紹介で、このごろ話題になった「チバニアン」について、またその時代の信州の様子について、信州新町化石博物館の畠山幸司さんにご講演いただきました。
以下、講演の概要です。

 

 

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「チバニアン(千葉時代)の信州」

チバニアンについて

「チバニアン」とは今から77万年前より始まる新生代のうち、定義づけが済んでいない時代(第4紀更新世中期)について、与えられるかもしれない時代名称。
千葉県で、地磁気の逆転現象が認められる等良質の地層が見つかったものの、現在審査中。ライバルはイタリアの「イオニアン」。

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恐竜時代、大陸の一部だった日本列島(の土台)。小谷村では約2億年前の恐竜の足跡の化石が見つかっている(畠山さんが発見!!)

 

その時代の信州の様子

長野県は1600万年前には海の底だった。海底火山の跡が若穂や松代に見られる。
1400万年前から隆起が始まり、北アルプスが誕生。当時長野には大きな湾が広がっていた。その後、山地から大量の土砂が流れ込んで堆積し、170万年前には県内全域が陸と化した。
300万年前に氷河期が始まり、気候変動が激しくなる。ミエゾウ渡来。
34万年前の氷河期には干上がった海峡を通って、大陸からナウマンゾウが渡来(約2万年前に絶滅)。

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30万年前までは平原の時代。北アルプスのふもとまで平野が広がっていた。西山の尾根が平らに見える―これは大昔の「地形の化石」。
その後、活断層(信濃川断層帯)が活動し始めて西側の山地(犀川丘陵)が隆起し、長野盆地が誕生。
中央隆起帯に行く手を阻まれ、現在新潟へ流れている千曲川はそれまで、関東へ流れていたらしい。

川中島カントリーの周辺、山の上に川が流れていない谷がある(空谷)。「河川争奪」の名残。

これだけ信州は「地形の化石」の宝庫。
今後、チバニアンの人間の痕跡が、信州から見つかったりするかもしれない??

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今回は畠山さんの、古代と地理・地質にかける情熱があふれる講演でした。
これまであまり聞いたことのなかった「大昔の地形の化石」が、近隣で間近に見られることに、地理や地学に詳しくない参加者も驚きながら興味深く聞き入っていました。周囲の山や谷など、普段の景色を見る目も変わってくる気がします。

畠山さん、ありがとうございました。益々のご活躍をお祈りいたします。