17年8月座楽会

講師:(株)U-NEXUS 代表取締役社長 上野 敏良 氏

演題:「世界中から注目を集めるシリコンバレー発・デザイン思考の概要と中小企業のIT化の最前線」

日時:平成29年8月24日(木) 18:00~

場所:やま茶屋

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当会会員の中邨さん(ロクシキ経営)のご紹介により、中小企業のブレーンとしてご活躍中の(株)U-NEXUS代表取締役社長 上野敏良さんにご講演いただきました。

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世界中から注目を集めるシリコンバレー発・デザイン思考の概要と中小企業のIT化の最前線

はじめに

(株)U-NEXUSは、企画が好きな4人が集まって2012年に創業。「ファイルメーカー」というソフトを使い、ITツールの開発、アプリの開発などを手掛けてきました。現在はさらに一歩進んで、ツール開発者(人材)の育成を行っています。

~ファイルメーカー活用事例(信州ハムほか)のPRビデオ視聴~

「ファイルメーカー」は、初期投資を抑えたシステム開発のツール。新商品やサービスの開発を内製化することが可能になります。

シリコンバレー発 最先端のIT事情

私は先日、出張から帰ってきたばかりなんですが、「シリコンバレー」は世界を動かす話題の企業が集まっている地域。北九州市と同じ面積サイズに、100万人の人口がいます。

シリコンバレーのビジネスモデルにアイデアをのせたサービスがたくさんヒットしています。例えばフリマサイトの「メルカリ」や「UBER」。売りたい人と買いたい人をアプリでつなぎます。実際のユーザーのレビューが見られるので、安心して行動にうつすことができます。
「UBER」は、ライドシェアリングのシステム。タクシーとは違い、登録したドライバーをアプリで呼んでしまうので、街からタクシーの姿が消えたといわれています。

シリコンバレーでは「デザイン思考」を実践している企業が多数。5年間で売り上げが倍増1.5兆→2.5兆になっているところもあるそうです。

「デザイン思考」とは

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アイデア、思考を整理したい、ニーズをとらえた提案ができていないと思われる場合には「デザイン思考」がフィットするかもしれません。

デザイン思考とは、スタンフォード大学のD-Labプロジェクトから生まれた概念。 モノ・カネ・機能でなく、「人間中心」を原則としてイノベーションを生み出します。 プロトタイプを(早期に)つくり、 学び → 実践 を繰り返します。

<デザイン思考のプロセス>

STEP① 共感

  • 実在するユーザーを観察
  • 判断せず、ありのままを受け入れ、可視化。

STEP② 課題定義

  • ユーザーへの深い理解を行う
  • ユーザーが気付いていない「本当の目的」「本当の課題」を把握
  • ユーザー自身も気づいていない「本当に実現したい本当の目的」を定義

STEP③ アイデア&コンセプト創出

  • 定義された目的の達成へ向けたアイデアを創出
  • 質よりも量を重視

STEP④ プロトタイピング(試作)

  • アイデアの価値を確認するため、高速でプロトタイプを作成
  • 必要最低限の機能を備えたもの
  • 学びの促しと価値の確認が目的
  • 「早く安く失敗」により手遅れを防ぐ

STEP⑤ ユーザーテスト(リアル)

  • プロトタイプをリアルマーケットへ投入し、フィードバックを受けて改善
  • 方向転換をすることをいとわない

「デザイン思考」での問題解決

パッケージを変えたら売り上げがアップした(例:パンテーン)というような効果を生み出すのが、デザインのわかりやすい役割。

「デザイン思考による問題解決」の例 ①

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MRI(体内をスキャンする医療機器)は、子どもが泣いて嫌がるケースがあります。一般的な処置としては、「鎮静剤を打つ」という解決法が80%だそう。
これを、デザイン思考を活用すると、「MRIの体験を変える」という解決方法が導き出されました。室内全体を「冒険イメージ」でデザインし、子供の持つ意識「怖さ」を「ワクワク」に転換し、問題を解決しました。

→ 商品を売るだけでなく、関係性を変えるのがデザイン思考の解決法。

「デザイン思考による問題解決」の例 ②

アキレスが開発したスニーカー「瞬足」は、かけっこのコーナーで転ぶ子供が多いという課題を解決したことで、爆発的大ヒットに!

→ 大切なことは「すべて共感から入る」こと。
これを企業文化になるまでマインドセットすることが必要です。

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第2部 ファイルメーカーを使ってIT化に成功した企業の実例

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続いて、上野社長の右腕である横田志幸さんから、
ファイルメーカー活用の実例の紹介がありました。

ヤッホーブルーイング:「樽」管理の改善

月間20本(7%)紛失していた樽が1%に減。ipadは操作性が良く、使い勝手が良いため記入漏れがなくなります。リアルタイム管理で、全体像を把握しやすいのがポイント。

UFOキャッチャーのレンタル会社「KOKADO」:集金業務の改善

伝票 → 検針 → サイン → 帰社 → 入力
           → ipad → ミニプリンタ出力 → 終了

それまでは帰社しないと検針結果をデータ化することができなかったのが、ipadを使いその場で入力、携帯したミニプリンタで出力することで、帰社後の手間が省け大きな効率化につながりました。

業務改善のシステムは、業務をよく知っている担当者が開発するのが一番(「シチズンディベロッパー」)。 このようなファイルメーカーを活用した業務改善システム開発の研修会(キャンプ)を、各地で開催しているので、ぜひご参加ください。

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実は、直前代表幹事の和田さんは、下関で開催されたこの研修会に1泊2日で参加されたことがあるそうです。

最先端のIT事例と思考方法は、今後の自社の効率化・発展を考える多くの会員の刺激になりました。ありがとうございました。