16年7月例会
講師:株式会社 長野パルセイロ・アスレチッククラブ 代表取締役社長 堀江 三定 氏
演題:「サッカーで街を元気に ―AC長野パルセイロの果たす役割―」
日時:平成28年7月28日(金) 18:00~
場所:やま茶屋

7月の例会は長野パルセイロ・アスレチッククラブ代表取締役社長 堀江三定氏にご講演いただきました。学生時代だけでなく、社会人リーグでも活躍するなど、自身も“バリバリ”のサッカー選手であった堀江氏。先代から会社経営を引継ぎ、松田・南信株式会社(前・松田産業株式会社)代表取締役会長を務める傍ら、2015年から現職に就任。
「サッカーで長野を盛り上げたい」「この街にサッカー文化を根付かせたい」という強い信念を持って活動を続ける堀江氏に、熱く語っていただきました。
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「サッカーで街を元気に ―AC長野パルセイロの果たす役割―」
クラブの活動理念
パルセイロとは、ポルトガル語で「パートナー」という意味。
地域社会とクラブがともに手を携えて、強いパートナーシップで共生する「地域密着協働型スポーツクラブ」を目指す。
チームの現状
- トップチーム:J3リーグ3位 観客動員数は大分トリニ-タに次いで2位
- レディース:なでしこリーグ1部 3位
平均入場者数は3,000人 有名選手が数多く在籍するアイナック神戸を抜いて全国1位
- 株式会社 長野パルセイロ・アスレチッククラブとしての年間売り上げは、
5億4千万円(J3クラブでは最高額) 前年比で140%増
そのうち広告収入6割 入場料収入12%
中長期的ビジョンに基づいた経営を行っている。
なでしこが面白い
近年、人気が高まっているレディースチーム。
1部リーグに昇格したことで、有名選手が長野に訪れ、ますます人気に。
INAC神戸に逆転勝ちするなど、今シーズンも予想以上の活躍を見せる。
スポーツの特性

- 無形性 試合には形がない・つかめない
- 同時性 生産と消費が同時に進行する
- 消費性 在庫を持つことも交換もできない
- 異様性 提供する商品が毎回異なる
- 多様性 喜びだけでなく苦痛も提供
特に「多様性」は「スポーツの宿命」とも言える。
どんなに強くても勝ち続けられるチームはない。時には最下位のチームに負けることも・・・。
心が折れてしまいそうな時や、サポーターからの叱咤激励を受けることもしばしば。
長野パルセイロ・アスレチッククラブが目指すもの
- 「する」「観る」「参加」のスポーツ文化の醸成
- 地域コミュニティの場の提供
- 青少年の健全育成と夢の実現
- スポーツを「する」「参加する」は楽しくて当然。「観る」をもっともっと楽しくした
あるおじいちゃんとの会話
- 普段から試合会場に足を運び、試合終了後はなるべくサポーターの皆さんを 見送るようにしている。
- 毎試合、観戦に来てくれるおじいちゃん。
「エレベーターをお使いください」と何度か勧めたものの、
「杖で降りたいんだ」となぜか頑なに階段を利用。
- 階段を下りる際には、毎回話しかけてくれる。
「おい、今日は頑張っているな」「何やっているんだ!(選手たちに)もっとしっかりさせろ」
と時にはお褒めの言葉をいただいたり、時には叱られたりと様々。
- ある試合の後、その人は「今日はよかった」と目に涙をためながら、堀江氏の手を握った。
試合に負けるといろいろと責められもするが、サポーターの喜ぶ顔が何よりもやりがい。
ぜひ試合を観戦に!
- ぜひ多くの方に試合を見に来てほしい。その際は、必ず奥さんもご一緒に!
「うちの女房がはまってしまってさ」とリピーターになってくださる方もいる。
- お孫さんを連れてきてもらうのもおすすめ。
「サッカー」という共通の話題ができるのは、お孫さんにとっても嬉しいもの。
- 発足時から変わらない想いは「サッカーで長野の街を元気に」
サッカーを通して地域活性化を促進することが、この街への
サポーターへの恩返しにつながると信じている。
- まずは、1人でも多くの方にパルセイロを知ってもらいたい。
試合を観戦して、スタジアムの「一体感」を味わってもらいたい。
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昨年3月に新スタジアムが完成、今季はレディースチームが1部リーグ部昇格初年度で3位と好成績を残すなど、ますます進化し続けるAC長野パルセイロ。
その雄姿を観に、実際にスタジアムに足を運びたくなる、熱のこもった講演でした。