16年4月例会

講師:ワーク&ライフ社労士事務所 代表 加藤 明美氏

演題:「ストレスを劇的に減らして自分も部下も活かす『4つのタイプ』活用法」

日時:平成28421() 1800

場所:やま茶屋

4月の例会では、当会会員である加藤明美氏にご登壇いただきました。201604_01.jpg

社労士として企業の人材育成、人事制度の構築に取り組む加藤氏が、職場でのストレスマネジメントに注目する背景には、企業に深刻な影響を与える「2017年問題」があります。

「わずか3年後の2017年には団塊世代が高齢期を迎え、労働人口が激減すると言われています。新たに人材を確保することが非常に困難になるため、いかに今いる社員の能力を発揮させるか、いかにストレスなく長く働いてもらうかが重要なのです」

しかし、多くの管理者や上司が部下に対して「何を考えているのか分からない」と悩み、上司と部下が互いにストレスを抱えているケースが多いのだとか。

このような「すれ違い」をなくすにはどうしたらよいのでしょうか。解決のカギは、「他者をよく理解すること」と加藤氏は言います。他者理解を助けるツールとして加藤氏が普段から活用している「DiSC」という理論を紹介していただきました。

(以下、講演の内容です。)

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DiSCとは

1920年代に行動心理学者のウィリアム・ムートン・マーストンによって考案された理論。

人間の行動傾向を、D-i-S-Cという4つのパターンに分類。

自分や他者がどのタイプであるのかを理解し、他者への認識を深めることで、

意思疎通が円滑にできるようになるというもの。201604_02.jpg

 

実際には綿密な検査によって、どのタイプか判別されますが、当日は簡易テストを用い、参加者は各々で自分のタイプを診断していました。)

 

 

簡易診断の一コマ。「あなたは何タイプでしたか?」

自分と他者の感じ方・行動の違いを探る  ―4タイプの特性と指導の仕方―

・人それぞれ違った考え方や行動のクセを持っている

・自分にとっては何気ない一言でも、相手からすれば「言ってはいけない言葉」である

ことも。

・相手の特性を知り、相手のタイプにあった伝え方をするのが大切。

D(主導傾向)タイプ】

・社交性があり、目標に向かってエネルギッシュに突き進む

・他人の意見に流されない

・決断力があり、困難があっても結果を出そうと頑張れる

・短絡的で、人の気持ちを考慮するのが苦手

 

<指導の仕方>

・細かく指示するよりも、ある程度教えたら本人任せる

・話をするときや依頼をするときは、結論から単刀直入に


OKキーワード】

プロセスではなく、成果や結果をほめる

「よくやったね!」「さすが!」


NGキーワード】

成果を評価してもらえないことが何よりも傷つく

「もっとやれると思っていたのに」「いまひとつの結果だったね」

「指示されたことだけやってればいいのに」

i(感化傾向)タイプ】

・その場の雰囲気や空気を読んで明るくし、仕切るのが得意

・新しいことをはじめるのは得意だが、はじめたことの定期的なチェックは苦手

・あまり気が乗らないことや苦手なことは、先延ばしにする傾向がある


<指導の仕方>

Dタイプ同様、細かく指示せず任せるのがよい

・アイデアを出すのが得意なので、ビジョンを与えると一生懸命取り組む


OKキーワード】

とにかく褒めて伸ばすことが大切

プロセスごとにこまめに褒める

「いいね!」「よくできている!」

 

NGキーワード】

・数値や理屈で淡々と処理されるのが嫌い

「あなたの気持ちはいいから事実だけ話して」

「何を根拠に言っているの?」

「何が言いたいか分からない」

S(安定傾向)タイプ】

・言われたことを根気よく最後までやり遂げることができる

・他の人々と助け合い、チームの和を保つ役割を果たす

・安定した環境を求めるので、急な変化に対応するのが苦手

・決断に時間がかかる

 

<指導の仕方>

・大ざっぱな指示はNG 正確に丁寧に指示をする

・依頼をするときは、本人にとって無理のない内容であるか気を遣い、

進捗をこまめに確認

 

OKキーワード】

ねぎらいの言葉が有効

「ありがとう」「本当に助かるよ」

 

NGキーワード】

具体的でない指示、プレッシャーがかかる言葉

「とにかく任せる」「もっと頑張れよ」

「聞いてる?○○さんはどう思うの?」


C(慎重傾向)タイプ】

・物事を客観的にとらえる能力がある

・情報を集め、状況を観察・分析し、計画を立ててから実行する

・自分が納得したことは責任を持って取り組む

・自分にも他人にも批判的になりすぎ、同情心に欠ける傾向がある

 

<指導の仕方>

・依頼するときは、具体的に何をしてほしいのかを示すことが大切

 

OKキーワード】

・具体的にどんな点がよかったのかを述べる

「あの仕事は、○○さんが的確にスケジュールを組んでくれたおかげで効率よく進んだよ」

 

NGキーワード】

・根拠のない言葉 「すごい!頑張ってるね!」

・急かすような発言「考えなくていいから」「そんなところに時間かけなくていいから」

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講演中、参加者たちは「あの人はiタイプだな」「あの子はCタイプだな」と各々の会社の社員の顔を思い浮かべながら興味深げに聴き入っていました

最後に、「自分の当たり前が他人の当たり前だと思わないことが大切」と加藤氏。自分と相手は違う人間だと知ることが、相手を真に理解する第一歩となると言います。

無意識のうちに、自分の物の見方や「当たり前」を他人に押し付けていないか、いま一度自らのコミュニケーションを振り返るよい機会となりました。互いの長所と短所を理解し、特性を生かし合える組織づくりを心掛けたいものです。