16年2月例会

 講師:長野商業高校 野球部監督 池田 剛幸氏

 演題:「何故チームを強くできるのか?~野球を通した組織論~」 

 日時:平成28年2月17() 1800

 場所:やま茶屋

 

当会会員で長野商業高校野球部OBの(株)キティック永田氏のご紹介により、長野県立長野商業高校 野球部監督 池田 剛幸氏にご登壇いただきました。
   長野商業高校野球部(以下、長商野球部)といえば、2014年夏には県大会準優勝、15年秋には優勝、さらに同年北信越大会で4強入りを果たすなど、いまや全国からも注目されるチーム。
   公立高校でありながら、なぜ強豪私立と肩を並べるほどの実力を持つチームを育てることができるのか。

160217_01.jpg

   部員100人以上の大所帯を率いる池田氏は、強調します。
「うまい選手ではなく、強い選手、そして強いチームでなければ甲子園には行けない。心身ともに『日本一』強いチームを目指したい」
   今回の講演では、普段、生徒たちに行っている指導の内容をもとに、強くなるための心のあり方・考え方について、じっくりと語っていただきました。

 

 

▲自著・「心の野球」を片手に熱弁をふるう池田氏 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   民間企業に勤めながら通信教育で教員免許をとり、三度目の採用試験で晴れて教師となった池田氏。
   ところが、教員生活わずか1年目に、指導者として最大の転機が訪れます。
   それは野球部の練習中のこと。自身が打ったノックがサードを守っていた部員の頭部に当たってしまい、その子が一時、植物人間状態に陥ってしまったのです。

「俺は一体、何のために子どもたちに野球を教えているのか―」

   大きなショックを受け、自責の念に苦しんだ池田氏。しかし、そのとき徹底的に「何のために」と自身に問いかけた経験が、氏の野球哲学に活かされていると語ります。
   事故から一年後、怪我をした部員がリハビリの末、社会生活に復帰したことで、再び立ち上がる勇気をもらったそうです。

(以下、講演の内容です。)

 

・何を目指すかよりも「何のために」を大切に

「何のために」努力をするのか、自分の“原点”が分かっていない人は心が弱い。 そういう人は、試合に勝ったら、卒業したら、就職したらと、目の前の目標が達成されてしまうと、そこで気持ちが途切れてしまい、またゼロからモチベーションを作り直さなければならない。
一方、「何のために」が分かっている人は、つらいことがあっても、自分の原点に返ることで再び立ち上がることができる。

・人は、何のために生きて、何のために働くのか?

多くの人は「幸せになるために」と答える。
では、その「幸せ」とは何か?
それは、「自分の使命に気が付けるかどうか」だと生徒には伝えている。
自分の命を何のために使うか、自分の使命を明確に持てることは、これ以上ない幸せ。

人の2倍一生懸命生きると、人の2分の1の時間で、人生の使命を知ることができると考える。

情熱勘定と損得勘定

  • 情熱勘定とは「積み上げの人生」
  • 「何のために」が分かっているので、困難があってもめげない。
  • 自分の使命に対して情熱を持って行動すれば、不思議と激的な「出会い」に恵まれる。
  • 損得勘定とは…「繰り返しの人生」
  • 割に合わなかったら、努力に見合わない結果だったら、すぐに諦める。
  • その度、繰り返し目標やモチベーションを作らなければいけないので、「人生の成果」が積み上がっていかない。

・カメは何を見ていたか

イソップ童話「ウサギとカメ」では、足の遅いカメが、足の速いウサギを追い越して勝利した。両者の敗因を分けたのは、『視点の違い』
ウサギは、カメを見て走っていた。だからこそ、「追いつけっこない」と油断して途中で居眠りをした。
しかし、カメは、ウサギを見ず、ひたすら「ゴール」だけを見て走り続けていた。だから勝つことができた。
周りの人がどうであろうと関係ない。自らの目標を追求し続ける姿勢が大切。

・数字は絶対

長商野球部では筋力やウェイトトレーニングの内容、体重などを全て数値化。
数字にすることで、自分たちに足りない部分が一目瞭然になるのはもちろん、 生徒たちの間に強い競争意識が芽生える。
勝負の世界では、勝つか負けるか、マルかバツかの2択のみ。その中間はない。
中間をつくってしまうと、判断基準が曖昧になり、言い訳が生まれる。

・「情熱」と「才能」の違い160217_02.jpg

「情熱」とは激しく高まった気持ち。
「才能」とは物事を巧に行う能力。

夢や目標を掴んだ人ほど「情熱」という言葉を使う。
夢や目標を掴んだのは・・・
情熱を注いで取り組んだからだ。」
一生懸命努力したからだ。」
「最後まで諦めずに頑張ったからだ。」

 

対して、夢や目標を掴めなかった人に限って「才能」という言葉を使う。
夢や目標を掴かめなかったのは・・・
才能がなかったからだ。」
「もともと能力が低かったからだ。」
「うちの家系は学歴が低いからだ。」
大人になるにつれ、なぜか「才能」という言葉を多く使うようになる。
あなたは「情熱」と「才能」、どちらの言葉を多く使っているか。

 

   講演を聴き、池田氏の熱い「野球部魂」に胸を打たれた参加者たち。
   自分たちは「何のために」働き、「何のために」会社を経営しているのか、改めて会社のあるべき姿を考える、よい機会となりました。
   池田氏の野球哲学は、ビジネスや会社経営においても、大いに活用できそうです。