15年3月例会

  講師:春蘭の宿さかえや

          代表取締役

          湯本 晴彦

  演題:言われてもなかなか燃えない“不燃人”をどのように自発的戦力にするか? 
                  〜厚生労働大臣「キャリア支援企業表彰」「旅館甲子園日本一」企業から学ぶこと〜

  日時:平成27324日(火)1800

  場所:やま茶屋

 

150324.jpg下高井郡山ノ内町渋温泉郷の一角にたたずむ旅館「春蘭の宿さかえや」は、昨年の11月、人を育て・人が育つ会社として厚生労働省主催の「キャリア支援企業」に選出。今年2月には、働く人が輝く日本一の旅館を決める「旅館甲子園」で見事優勝を果たしました。

今や、人材育成の観点から全国的に注目を集めるさかえやの代表取締役・湯本晴彦氏から、言われてもなかなか燃えない「不燃人」を自ら燃える「自燃人」へと育てる独自の取り組みについて語っていただきました。


●素手・素足のトイレ掃除

さかえやでは素手・素足でトイレを掃除することを徹底。最初は嫌でも、目に見えて綺麗になっていくので、段々と夢中になる。そこから嫌なこと、面倒なことに目を背けず向き合うことを学べる。

●毎日一通一通気持ちを込めて送る、お客様へのはがき

さかえやでは毎日、来館していただいたお客様宛にはがきを出すことを推進。いつでも誰にでも出来て、多くのお客さまとのご縁を生むほかに、毎日継続することで自分に対する自信、自己肯定感が高まる。

●住み込みで働く宿泊業だからできること

さかえやでは、障がい児や不登校、引きこもりの学生を対象にした就労体験を積極的に行っている。宿泊業は基本的に住み込みで働くので、就労体験に来た子どもの生活そのものに関わることができる。

また、子どもたちと寝食をともにすることで、さかえやで働く大人の社員が「人」との接し方を学べる。生き生きと働く子どもたちの姿を見ると、「自分たちも誰かの役に立てるんだ」と実感することができ、社員の自信にもつながる。

1503242.jpg●言われてもなかなか燃えない「不燃人」にはどう接していくべきか

不燃人はいくつかのパターンに分かれる。

  • 1.そもそも問題だと思っていない人
  • 2.問題だと分かっていてもどうすればよいか分からない人
  • 3.どうすればいいか分かっていても、自分には出来ないと諦めている人
  • 4.反発するために、あえて問題を起こしている人

それぞれのタイプに合わせて接し方を変えいくことが必要。

例えば、1.のタイプの人に対しては、「決まりごとだからやりなさい」と会社目線で押し付けない。「これを続けていたらどうなると思う?周りの人は君のことをどう思う?」と相手に想像させることが大切。会社の都合ではなく相手のより良い人生のためを思って言うようにする。

3.のタイプに関しては、一緒になって取り組む。一緒にやる中で、できるようになっていく過程を褒める。大切なのは出来るようになるまで関わり続けること。その人の努力や姿勢を日々認めてあげることが、その子の自己重要感を高める。

●人が育つ、人を育てるとは

人は育てるものではなく、ただ育つもの。社員に自ら成長しようと思ってもらえなければ、どんな教育も意味がない。そのためには、まずは自分自身が変わること。「この会社にいたい、この人について行きたい」と社員に思ってもらえる経営者になろう。常に希望や夢を持ち、いつも楽しそうに仕事をすることが社員を惹きつける魅力となる。経営者自らが何か取り組むものを持っているということも大切。


「全ては自分自身の問題。」講演中何度もこの言葉を口にした湯本氏。まずは自分自身が変わらなければ、社員は変わらないということを痛感させられる講演でした。参加者各自が社員との関わり方を見つめなおす貴重な機会となったことでしょう。