15年8月座楽会

 講師:INTERROBANG DESIGN (インテロバングデザイン)

             CEO   山下 敏男 

 演題:メイド・イン・ジャパン

 日時:平成27年827() 1800

 場所:やま茶屋

 

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当会会員の()カンバーランド・ジャパン 原田氏のご紹介により、元日産自動車でフェアレディZ32、スカイラインGT−Rなど全世界に根強いファンを持つ名車をデザインされ、現在は首都大学東京の教授や女子美術大学の講師などでご活躍しつつ、一念発起して起業された山下敏男氏にご講演をいただく機会を得ました。



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150827_02.jpg山下氏が立ち上げたのは、INTERROBANG DESIGN(インテロバングデザイン)という会社。インテロバングとは、ラテン語の「疑問符(?)」と「感嘆符(!)」を組み合わせた造語で、疑問と驚きを同時に表現しているそう。40年もの間、日産自動車でヒットメーカーとして活躍してきた山下氏の、デザインの心構え「新しさと価値」を社名で表したそうです。



これまで日本製品と言えば、世界的に「
Made in Japan」として強いブランド力を誇っていましたが、現在、家電業界では大きく企業イメージが下落しているといいます。自動車業界はまだましというものの、いまは韓国車のデザインがダントツに良くなっているとのこと。内外装の質感、造形力など、山下氏いわく「デザインにお金をかけているんです」。
 

いま、韓国の現代(ヒュンダイ)自動車は、中国市場で2400万台(日本車の5倍)販売しており、圧倒的。ヨーロッパのメーカーが真似をするほどの良いデザインだそうです。


自動車のデザイン開発費というのは、試作車
1台なんと1000万円。開発には3~3.5年かかり、山下氏の活躍当時の開発費は360億円だったといいます。このごろはデジタル化によりコストは下がっているものの、それでも200億円くらいとか。「パーツ1100万円。プロトタイプのモデルだと外観7000万、内装1~3000万。。。23台失敗する(売れない)と会社は傾くが、慎重になり過ぎては良いものは生まれない。デザインにはお金をかけないとダメなんです」

150827_04.jpg韓国・起亜(キア)自動車の「ソナタ」は、ヨーロッパ系のかっこいいデザインですが、カムリの6割の値段で販売するそう。
 

起亜は、アウディのチーフデザイナーだったピーター・シュライヤーを獲得して副社長に、また現代は、BMWのチーフデザイナーを獲得してデザイン責任者に据えました。「3年以内に世界のトップを取らなければ首が飛ぶ」という大きな命題を背負い、トップダウンの命令系統で完璧な目標成果主義のもと、「全てにおいて世界の上位独占」を目指しています。



一方、日本は「突破口ない・予算ない」という負のサイクル。

「日本は、世界の知恵を交えて何かをつくる文化が弱い」と山下氏。「ライバルと差別化する」という戦略に変えるなら、リーダーシップのスタイル、組織構造、マネジメントシステム、文化等も変えるべきである。そのために「強いリーダー、トップ」を育成する必要性がある、と強調します。
 

150827_03.jpg→ 強いリーダーに必要なものとは?

         ・強い信念、独創性、独裁力

         ・成功体験

         ・広い、グローバルな視野

                         +

         「権限を行使できる地位」


また、これからは、デザインセンスを持ったエンジニア、また工学系の知識を持ったデザイナーが必要であるとして、山下氏はその「育成」に取り組んでいます。学生から出てきたデザインの例では、文字を認識して発音してくれるメガネや、穴の開いたイヤホンなど、なかなか面白いものができているそうです。

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このあとの懇親会では、多くの車好きな会員が囲み、和やかに熱い語らいの時をもたせていただきました。

社名の通り、各方面で「新しい価値」を創造する取り組みを行う山下氏。現在、前掲のカンバーランド・ジャパンの原田氏と共に、新たなライフスタイルを提案する「トレーラー」のデザインに取り組んでいるそうです。この翌日はラジオ番組にも出演されていました。

 

今後、益々のご活躍をお祈りします。