15年2月例会

  講師:株式会社豊島屋

          製造部課長

          林 慎太郎

  演題:蔵元の想い 〜日本酒の魅力を伝えたい〜

  日時:平成27223日(月)1800

  場所:やま茶屋

 

今回は「清酒神渡(みわたり)」の蔵元、岡谷市の株式会社豊島屋の林慎太郎氏に「蔵元の想い 〜日本酒の魅力を伝えたい〜」との演題で講演をいただきました。

150325_01.jpg創業当時は、岡谷で生産が盛んだった生糸の仲買をしていたという豊島屋。生糸を港まで運び、帰りにランプ用の油を持って帰っていたので、当時から現在につながる「石油部門」ができました。
  一方で、生糸の取引きは商売として安定しなかったため、危機感を持った初代社長が味噌、しょう油、酒など醸造の仕事を始めて、「清酒部門」ができたそうです。

石油部門は現在、ガソリンスタンドの運営、潤滑油・工業油の販売、中古車やレンタカーの取り扱い、そして住宅設備などを手がけています。
  清酒部門では日本酒を造って売ることはもちろんですが、焼酎・梅酒などの卸のほか、サッポロビールの特約店にもなっています。
  毎年4月には蔵開きを行い、全国から1,000人程が見学に訪れます。今、日本酒は注目されていますが、「まだまだ頑張らねば」との思いを強めていらっしゃいました。

その後、持参された資料を使って日本酒の作り方や歴史を教えていただきました。
基本/日本酒は米を発酵させて造る醸造酒のカテゴリーに分けられる。

  • 精米/雑味になりやすい米の表層部を削る精米歩合があり、種類によって削る量を変える。
  • 麹(こうじ)をつくる/米自体には糖分がないので、米に含まれるでんぷんを糖化させるために麹菌を使う。
  • 酛(もと)をつくる/麹に水や蒸米、酵母を加えてお酒のもとになる「酛」を作る。
  • 醪(もろみ)をつくる/酛に麹、蒸米、水を加えタンクで仕込み、2週間から1カ月かけて発酵させる。
  • 搾(しぼ)る/発酵した醪を搾る。搾ったものが日本酒に。

150325_02.jpg上記がだいたいの製造工程ですが、江戸時代から現在もほとんど変わっていません。明治時代には全国で3万軒を超えていた蔵が、酒蔵への課税の影響などもあり今は1,000軒前後まで減りました。長野県では83の蔵が営業し、各蔵がそれぞれタイプの違った日本酒を造っています。
  豊島屋では、10年ほど前から他県の米を使わず長野県産の米だけで酒造りに取り組んでいるそうです。産地としては木島平、安曇野、茅野・原・富士見、伊那、飯田など全県に渡って契約栽培をお願いしています。それぞれの地域で1000mから400mまでの標高差があり気温差もあるため、色々な品種の米を作れるのが長野県の強みとなっています。

途中からは5種類のお酒を用意していただき、試飲しながらの講演会となりました。用意していただいたお酒は…

  • 「神渡」にごり酒
  • 「神渡」本醸造酒
  • 「豊香」純米酒
  • 「豊香」純米吟醸酒
  • 「神渡」大吟醸酒

それぞれを飲み比べながら●日本酒は大きく分けて米・水・米麹でつくる「純米酒」タイプと、醸造アルコールが入る「本醸造」タイプに分かれること●にごり酒は搾りをするがどぶろくは搾らないこと●品評会ではバランス重視なのであまり香りは出さないようにしていること─、といった興味深い話もうかがいました。

アルコールが入って参加者も次第に舌がなめらかになり、いつにも増して質問が多く飛びかいました。大変和やかな雰囲気の中、あらためて日本酒への理解が深められ、楽しくそして美味しい例会でした。